接合界面制御学
微粒子システムプロセス学
材料システム計測学
多元変換機能システム学
生体機能材料学
医用材料工学

材料システム工学コース

工業製品を「材料」の視点から研究

工業製品は様々な素材や部品からできていますが、それぞれの材料の特徴を活かし組み合わせて使う材料設計手法や、材料を機械部品や使用しやすい板材や線材にする加工技術、近年注目されるマイクロスケールの加工技術、医療応用や生体の筋肉等に学ぶ新材料の開発に結びつく科目を学びます。

新しい接合技術、材料設計技術、可視化計測技術などを開発

過酷な使用条件に耐え、工業製品の寿命と信頼性を高める高強度・高耐久性の新接合技術の研究や、極低温、宇宙環境等の特殊な環境向けに、性質の異なる材料を適切に複合化する計算機による材料設計技術の研究を進めています。材料内部の見えない欠陥は製品の寿命や信頼性を低下させるので、超音波を使った可視化計測技術を研究しています。医療用の高耐久性の生体埋め込み金属材料の研究を進めています。また、生体の筋肉はすぐれたマイクロ・ナノスケールの動力源なので、この動作機構の研究を通して新材料への応用を研究しています。

[代表的な科目]

素形材工学・塑性加工学・材料システム力学・接合工学・材料計測評価学・構造材料学・材料破壊力学・高分子・生体物質の物理化学 等

研究室一覧

●接合界面制御学講座

教授 佐藤 裕/助教 鴇田 駿

佐藤研究室では、溶接・接合で生じる現象を材料科学の知識を用いて正しく理解し、溶接・接合界面を高度に制御することにより構造物の長寿命化・信頼性向上を目指しています。さまざまな溶接・接合法を対象としていますが、特に摩擦攪拌接合に関する研究に力を入れています。また、金属結晶間の界面である“ 結晶粒界”の原子配列制御により高特性材料を開発し、高い安全性・信頼性が要求される電力・プラント分野で注目を集めています。

●マイクロシステム学講座 微粒子システムプロセス学分野

教授 野村直之/准教授 周偉偉

野村研究室では、種々の粉末を使った新技術の開発に挑戦しています。現在は、大きさの揃った球状の微粒子を意図的に並べ「組み立てる」ことで、粒子だけでは実現できない新しい機能特性を持った材料の創造を目指しています。また、グラフェンおよびカーボンナノチューブナノコンポジットの研究や、金属ガラス粒子の焼結・マイクロ加工技術の開発、さらに複合材料組織に基づく機能特性評価、3Dプリンティング技術を用いたテーラーメード医療用材料の開発など、粉末冶金を基にしてグリーン・ライフイノベーションに関する幅広い研究を行っています。

●マイクロシステム学講座 材料システム計測学分野

教授 小原良和

材料システム計測学分野では、非破壊検査、超音波計測の基盤技術として、a. 弾性波伝搬可視化技術の開発、b. 圧電素子による新センサーの開発、c. b.で試作したセンサーを生かす超音波パルサーの開発等、各種基盤技術を研究しています。これらにより、既存装置では測定できない欠陥が計測できる非破壊計測装置の開発を行い、自動車、飛行機、新幹線等を初めとする製品品質を差別化し、発電機器、橋梁、水道管等の老朽化インフラを安心して長く使う技術を創出します。

●マイクロシステム学講座 多元変換機能システム学分野

教授 徐 超男/助教 内山智貴

当研究室では強い応力発光性(Piezoluminescence)と圧電性(Piezoelectricity)を同時に備えたマルチピエゾ(Multi-piezo)体を創出しています。これは、僅かな機械応力を加えることでこれまでにない高感度かつ安定に発光する材料で、新コンセプト機能として国際的に関心を集めています。当研究室では、マルチピエゾに関するメカニズム物性研究と材料開発に計算を主体とした理論と実験の両面からのアプローチによって、ハイパーマルチピエゾへのブレークスルーを実現し、マルチピエゾフォトニクスの革新領域の開拓と進化を目指しています。例えば、1)力-電気-光の多元エネルギー変換プロセスの機構解明、2)巨大圧電と発光機能のハイパーマルチピエゾ体の創出、3)マルチ変換デバイスの設計/エンジニアリングによる革新的ナノセンサとユビキタス光源の創製を目指しています。

●生体材料システム学講座 生体機能材料学分野

教授 山本雅哉/助教 小林真子

先端医療を支える再生医療やドラッグデリバリーシステム(DDS)等に応用する生体機能材料を設計するためには,生体分子環境を含めた生体機能の理解とそれに基づいた生体機能材料システム設計が重要です。本分野では,新たな生体機能材料システムを開発するために,生体機能の分子科学的な理解を進め,それに基づいた生体で機能する有機・無機ハイブリッドやソフトマターの材料設計に関する基礎的研究を行っています。さらに,基礎的知見に基づいて設計したポリマーベシクルやハイドロゲルなどの生体機能材料を再生医療やDDS等へ応用する研究も行っています。

●生体材料システム学講座 医用材料工学分野

教授 成島尚之/准教授 上田恭介

成島研究室では、生体内で使用する金属系およびセラミックス系材料の高機能化を目指し、金属系材料であるチタン・チタン合金、コバルトークロム合金中の軽元素に着目した組織制御、セラミックス系材料であるリン酸カルシウムの合成、表面・界面異方性、コーティングによるこれらの材料の複合化に関する研究を行っております。本学歯学研究科、薬学研究科、加齢医学研究所、金属材料研究所との共同研究により生体内外評価を行い、得られた成果の知財化、企業との連携を通した臨床応用に関しても積極的に推進しております。