材料電子化学
極限材料物性学
強度材料物性学
電光子情報材料学
スピン情報材料学
エネルギー情報材料学
機能電子材料創製

知能デバイス材料学コース

次世代を見通した機能材料やデバイス技術を開発

金属、セラミックス、半導体の原子構造、電子状態、電気化学反応等を学ぶことによって、熱的性質、電気的性質、磁気的性質、機械的強度、耐食性といった物性の生まれる仕組みを理解し、様々な固体材料、たとえば電子デバイス、磁気デバイス、光デバイス、熱関連デバイス、燃料電池等のエネルギー材料等に応用するための基礎を学びます。

次世代を見通した材料や技術を開発

材料の物理的・化学的性質を追求して、次のような技術を究めようとしています。
過酷な環境下(強酸性、高レベル放射性廃棄物を長期間高深度地下に格納する容器等)材料の高耐久性・高耐腐食性の表面処理技術の開発、高温高圧下で使用できる高性能電気化学センサーの開発、電気自動車などに必要とされる高性能永久磁石材料の開発、次世代エレクトロニクスを支えるスピントロニクスデバイスの開発、次世代電子工学や未知の分析技術に応用できるテラヘルツの技術開発、次世代エネルギーとして注目される水素エネルギー利用のための材料技術開発などです。

[代表的な科目]

材料組織学・材料強度学・材料電子化学・結晶回折学・物性学基礎・固体物性論・表面・界面の物理学・電子材料学・磁性材料学・セラミックス材料学・腐食・防食学・材料解析学 等

研究室一覧

●材料電子化学講座

教授 武藤 泉/助教 西本 昌史

エネルギー・資源・環境問題の解決のために必要な新しい装置やプロセス用の材料開発の研究を、マイクロ電気化学プローブや走査ケルビンプローブなどの新しい計測手法を駆使しながら進めています。局部腐食機構の解明による省資源型のステンレス鋼の開発、水素-酸素燃料電池の電極触媒の劣化挙動解析、自動車など高速輸送機械の軽量化のための高耐食性マグネシウム合金及び新しい表面処理プロセスの開発などがホットなテーマです。

●ナノ材料物性学講座 極限材料物性学分野

教授 須藤祐司/准教授 安藤大輔/助教(材料科学高等研究所) Shuang Yi(双 逸)

小池研究室では、異なる材料の接合界面や金属内部に存在する結晶界面をナノレベルで制御し、デバイスの熱的・力学的・電気的特性と信頼性を向上するための研究を行なっています。具体的には、半導体デバイスの配線・電極・メモリ材料の研究や太陽電池用材料の開発、また、自動車・航空機用の軽量材料として注目されているMg合金の変形・破壊に関する研究や切削工具に用いられる硬質膜の組織制御による高性能化に取り組んでいます。

●ナノ材料物性学講座 強度材料物性学分野

教授 吉見享祐/准教授 関戸信彰/助教 井田駿太郎

化石燃料を電気エネルギーや運動エネルギーに変換するときのエネルギー変換効率を高めるためは、火力発電プラントやエンジンを構成する材料の高強度化、高温化、軽量化などが極めて重要な技術となります。吉見研究室では、エネルギー変換デバイスの高効率化を実現するために、アルミニウムやマグネシウムなどの軽金属合金、耐熱鋼、耐熱チタン合金、高融点金属基超高温材料などの開発と耐熱性の評価を行っています。

●情報デバイス材料学講座 電光子情報材料学分野

教授 好田 誠/助教 石原 淳

電子には電荷と共にスピンの自由度を持っています。この電子スピンの空間構造が生み出す新たな物性や機能を軸として、次世代情報処理や量子技術に向けた研究を進めています。半導体においてより省電力で高速な情報処理・伝送・記録を実現するため、新たな情報キャリアとして電子スピン波に着目しています。この電子スピン波は、これまで光デバイスが得意としてきた波長多重伝送や並列計算をナノスケールの半導体中で実現できる可能性を秘めています。また、スピンなどの量子力学的な性質に着目することで、次世代量子情報社会に必要となる基盤技術の構築を目指しています。

●情報デバイス材料学講座 スピン情報材料学分野

准教授 手束展規/講師 松浦昌志

杉本研究室では3つの研究分野について取り組んでいます。永久磁石はハイブリッドカーやパソコン・携帯電話などに使用され、省エネにも貢献していることから、現代社会には欠かせない存在です。機器のさらなる性能と地球環境向上のため、世界最強の永久磁石を目指して研究しています。また、高速大容量通信など、将来の「ユビキタスネットワーク」を実現するための高周波で機能する高効率な磁性材料の開発や、不要な電磁波を効率よく吸収し、機器の誤作動、人体への悪影響を防ぐ新しい電磁波吸収体の開発を行っています。更に、低消費電力で駆動する演算素子やメモリの開発のために、電子の持つ電荷とスピンの情報を利用したスピントロニクスデバイス実現に向けた要素技術の開発を行っています。

●情報デバイス材料学講座 エネルギー情報材料学分野

教授 高村 仁/助教 及川 格/助教 石井 暁大

現在、二酸化炭素排出量を大幅に削減するために、エネルギー変換・貯蔵技術に革新的なブレークスルーが求められています。本研究室では、水素をエネルギー源とする燃料電池や、リチウム電池に代表される高容量蓄電池のための機能性材料の研究を行なっています。特に、固体中を高速にイオンが移動できるイオン伝導体や、触媒材料となる酸化物ナノ粒子に着目し、その特性向上や新たなデバイスの開発に取り組んでいます。また、ギガパスカル(1GPa=1万気圧 )の超高圧という極限環境を用いた新規物質の創製と新機能発現の研究にも取り組んでいます。

●物質機能創製学講座 機能電子材料創製研究分野
(グリーン未来創造機構 グリーンクロステック研究センター)

教授 齊藤 雄太

齊藤研究室では、将来の情報化社会を支える次世代電子デバイス等に向けた機能材料の研究を行なっています。2次元層状物質やアモルファス薄膜といった様々な機能電子材料を取り扱い、原子・電子レベルでの機能発現メカニズムの解明や、異種材料との界面現象の研究などを行なっています。また、放射光という非常に強力なエックス線を用いた最先端分析や、第一原理計算などの材料シミュレーションを駆使することで、材料の本質に迫る研究にも取り組んでいます。こうした材料における原子・電子レベルの特徴を理解し学理を構築することで、次世代の様々なデバイス材料の発展に貢献していきます。