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国内最大規模、幅広い研究・教育。安心して来てください。夢と感動が待っています。

マテリアル・開発系系長の原信義教授(材料電子化学)に、東北大学の材料科学総合学科の特色などについてお話を伺いました。

東北大学の材料科学総合学科の特色は、どのようなところにあるのでしょうか。

 一番は規模です。 全部で23の研究室があり、国内では間違いなく最大級です。 規模が大きいということは、カバーする材料、材料科学の中身、分野が非常に広いということ。 もし高校生の方が「材料って何をやるのか?」とよくわからないまま入学しても、 大学に入ってから自分が勉強したいこと、研究したいこと、将来やりたいことを探すことができるんです。

 分野についてもう少し詳しくお話ししますと、全部で4つあります。一つは、材料を作る過程や材料の性質を組成や組織によって変える方法について研究・教育するのが 金属フロンティア工学コースです。次に、材料の持つ色々な性質が生まれる仕組みを解き明かして新しい機能を持つ材料をデザインするのが知能デバイス材料学コースです。それから、製品を作るために材料の組み合わせ方を考え,色々な形に加工するための研究・教育を行うのが 材料システム工学コース。最後は、材料環境学コース。21世紀は環境と共生していく時代です。 材料を作る過程の環境負荷も可能な限り小さくしなければなりません。 また作ったものを大事に長く使い、最後は捨てずにリサイクルする。 こういったことについての研究・教育を行っています。

(※ 研究内容のわかりやすい解説が高校生のための材料科学入門講座にあります。こちらもご覧ください)

原信義教授

 材料が作られて、生かされて、使い終わってもう一度生まれ変わるところまで、 首尾一貫して教育と研究をカバーしているのは、おそらく他の大学にはない 東北大学の強みです。ですから、材料の中でこれが面白そうだ、と考えて入学してももちろん結構ですし、 よくわからないけどなんとなく面白そうだなという人でも大丈夫です。 いま申し上げた4つのコースはすべて基礎的には同じように教育をします。 高校生のみなさんにいつも申し上げたいのは 「安心して来てください、決してがっかりさせませんよ」と。

 工学部の中には他に、機械系、電気系、化学系などたくさんありますが、 実は私たちの材料科学総合学科には他の系で扱っている要素も含まれています。 例えば機械系では、ものの力学的な性質を計算し設計に生かすという分野がありますが、 私たちのところにもあります。電気系で言えば、半導体エレクトロニクスが一つの重要な分野ですが、 私たちの所にも半導体材料およびそれを利用したデバイスの最先端の研究をしている先生がいます。 また、磁気デバイスや、 化学・バイオ系と関連がある生体材料などの研究分野もあります。

 大学院の話をしますと、いま現在私たちのところの学生の9割は大学院に進学します。大学院になると、分野はますます拡がっていきます。東北大学附置の研究所で、金属材料研究所多元物質科学研究所にも多数の協力講座があります。現在の総長の井上明久先生も金属材料研究所です。 大学院ではこれらの研究所で研究することも選択肢に加わります。 このバリエーションの広さが、非常にお買い得、入り得だと私は思いますね。

 皆で一所懸命研究して、 既存の材料は今よりさらに良く、そしていままでにない新しい材料を作って、生活を豊かにしていくモノを作る。文明が材料の歴史であると言われるように、材料が変わる と世の中は変わるんですよ。非常に夢のある分野ではないかと思いますね。

大学・大学院を卒業・修了した後の就職状況、就職先の業種について教えてください。

 就職は、今のところ非常に良い状況だと思います。素材産業ー材料そのもの、金属そのものをつくるところーと、それを生かすところ。両方に同じ位あります。具体的には鉄鋼会社、非鉄金属を作る会社、アルミニウムなどの加工をする会社。それから電気会社、自動車会社、重工業、などです。

原信義教授

 工学部のある系の出身だからといって直接関係ある分野にしか就職できないということはありません。例えば鉄鋼業では、材料系で鉄の勉強をした人は当然必要ですが、製造ラインはやはり電気系の人の力も必要ですし、機械系の人も必要。同じ事が私たちの分野にも言えて、どの工業でも材料のことがわかる人材が必要とされています。 多分みなさんが行きたいと思う会社が全て含まれていると思います。先ほどお買い得、 入って損しないと表現しましたが、就職も含めての話なんです。安心できると思います。

(※ 就職に関しては卒業生の進路 就職先リスト・卒業生からのメッセージもご覧ください)

進学を希望する高校生にはどのような分野を勉強してきてほしいですか。

 理科ですね。現状は、物理・化学は基礎的なことを理解しているという前提で 大学のカリキュラムを組んでいますので、 やはり物理・化学の勉強はやってきてほしいです。でも完璧である必要はないと思います。 ただ漫然と勉強するのではなく、その中で 自分がどういう所に興味を持てるか、考えながらやってほしい。

 あと勉強より大切なのは、コミュニケーション能力です。大学に入学しても最初は同じ学年の中で過ごして、サークルで先輩や後輩ができる程度ですが、 研究室に入ると教授、准教授、助教、大学院生と、 幅広い年代の人がいます。ある意味社会を小さくしたようなところにぽんと入って、 ほとんどの人が3年間過ごします。そうすると、その中で自分を主張したり、年上の人 と会話をしたりということがしっかりできないと、苦労するんですよ。 ですから勉強だけでなく他の活動も、たくさん経験してきてほしい。そうすればコミュニケーション能力は 自然と身に付いてきますから。そうして大学に進学してくれると、大変望ましいですし、 きっと楽しい学生生活を送れるものと思います。

最後に、高校生の皆さんにメッセージをお願いします。

原信義教授

 今の若い人は、モノ作りに対する感動が少ないんじゃないかな(笑)。 私自身は学部3年生の時の工場見学で、溶鉱炉から真っ赤な鉄が出てくるのを見て、すごく感動しましたよ。実は、材料を作ったり本質を解き明かしていく過程で、感動に結びつくことが一杯あるんです。製品の中に組み込まれているものが多いので、これだよとはっきり見せられないのが材料の難しさなんですが。でも、それを研究する過程ではいろいろな驚きや感動が待っています。皆さんの時代までは、間違いなく「モノ作り大国・日本」が続くはずです。 モノ作りは材料から始まります。 ぜひ、一緒に材料を作ってモノを作る感動を一杯味わいましょう。多分驚くことがたくさんあると思います。 この東北大学で、新しいこと、面白いことを発見してください。

(平成19年6月取材)