研究室を決めるにあたって


研究室は卒論を仕上げるためだけでなく、その後における物事の考え方の基本を学ぶ場です。
また同じ研究室に所属した先輩・後輩や同級生同士の関係など将来にわたっての貴重な人間関係を作っていく場でもあります。
もちろん研究以外にも様々なイベントがあり人生の中できわめて濃密で楽しい時間です。
いずれにしても研究室担当者や先輩たちの醸し出す“雰囲気”はいろんな意味でその後の研究者・技術者としての進路に大きな影響を与えます。どの研究室のどの研究テーマであっても、教科書にはない新しいことに取り組むわけですから、ただ”楽な”だけのテーマなどないと思います。そう言った意味から、自分が現在何に興味があり、何をやってみたいのか、 よく考えて卒論研究室を選択してください。
我々の研究室は、「ナノワールド」という競争の激しい分野にあって世界でもトップレベルの研究を目指しています。
そのような独自性の高い困難な研究に対して、学部・大学院(特に博士課程)にわたって、熱心に粘り強く取り組んでいただける方を歓迎します。(和田山)



学生からの研究テーマ紹介


  • D3: 高橋 俊太郎
  • 出身:神奈川県
  • 趣味:楽器演奏(ゲーム音楽)、野球観戦(DeNA)

  • 研究テーマ
  • Pt基合金ナノ微粒子のドライプロセス合成と電極触媒特性

  • 研究内容
  • 日本人が年明けを強く実感する箱根駅伝。その大会本部車という大役をトヨタのMIRAIが担った2015年は、”水素社会元年”を目指し、産官学が一丸となって課題解決に取り組んだ1年でした。
    水素は太陽光や風力といった自然エネルギーから生成可能な二次エネルギー媒体であり、資源の少ない国や地域でもエネルギーの地産地消が可能な点が特徴です。水素の持つ化学エネルギーを電気エネルギーとして効率よく取り出すことのできる燃料電池は、水素社会を実現する上で欠かすことのできないエネルギー変換装置であり、自動車やトラックなどの輸送用途のみならず、家庭や産業における分散電源としての利用が期待されています。
    燃料電池普及のカギを握る研究分野の一つが電極触媒です。固体高分子形燃料電池のカソード電極には過酷な動作環境下でも長期に渡り高い触媒能を示す”タフな”触媒が求められており、現段階では高価な白金が触媒として大量に用いられています。そこで私は白金使用量低減と長寿命を両立した新規電極触媒材料の開発を目指し、日々研究を行っています。

  • ひとこと:もう一つのテーマ「美味しい珈琲の最適抽出条件」の共同研究者を絶賛募集中です。是非。
shuntaro shuntaro

  • M2: 浅野 真仁
  • 出身:栃木県
  • 趣味:フライフィッシング

  • 研究テーマ
  • 窒素ドープPt-Ni(111)表面合金の酸素還元反応特性

  • 研究内容
  • Pt-M(=Fe, Co, Ni, etc.)コアシェル触媒は高い酸素還元反応(ORR)活性を示すことから、固体高分子形燃料電池(PEFC)用の新規カソード電極触媒材料としての実用化が期待されています。このコアシェル触媒の課題の一つにコアを構成するM原子がPEFC動作環境(低pH、電位変動)で溶出し、活性が急激に低下することが挙げられます。 近年、その溶出抑制手段としてコア金属を窒化したPt/PtM-Nコア構造が提案されていますが、窒化コア中に存在する窒素原子がORR特性に及ぼす影響について未解明であります。 そこで本研究では、超高真空中で表面清浄化したPt-Ni(111)合金単結晶基板表面に対して窒素イオンビームを照射後、分子線エピタキシー法によりPt被覆してモデルナノ構造を作製し、そのORR特性を評価することを目的としています。

  • ひとこと:冬が胸にきた。
asano asano

  • M2: 中村 大樹
  • 出身:東京都
  • 趣味:洋楽ロック(HR/HM, フュージョンなど)、野球観戦(阪神ファン)

  • 研究テーマ
  • 貴金属合金表面における水素キャリアの脱水素特性

  • 研究内容
  • 将来の水素社会の実現に向けて、水素を貯蔵し輸送する媒体(水素キャリア)としてメチルシクロヘキサン(MCH)などが注目されています。水素キャリアから水素を取り出す反応(脱水素反応)を効率よく行うためには触媒開発が不可欠です。 脱水素触媒としては白金などの貴金属が優れていますが、卑金属との合金を触媒として用いることにより、貴金属の使用量を削減し、触媒のコストを低減することができます。そこで、私の研究では、貴金属合金モデル触媒を用いて水素キャリアの脱水素を行い、その表面組成・原子配列と脱水素特性の関係を解明することを目指しています。

  • ひとこと:水素社会に興味のある方、表面科学、電気化学を学んでみたい方は、お気軽に見学に来てください!
nakamura nakamura

  • M2: 渡邊 裕文
  • 出身:群馬県
  • 趣味:熱帯魚、テニス、野球観戦(巨人ファン)

  • 研究テーマ
  • Pt-Ir合金の触媒特性評価

  • 研究内容
  • 燃料電池自動車に搭載されている固体高分子形燃料電池(PEFC)には高価で希少なPtが電極触媒として使用されていますが、加減速のときなどにかかる電圧によって触媒性能が劣化してしまいます。そのため、燃料電池自動車を増やしていくためにはPtの使用量を低減しつつ、高電位負荷環境下でも触媒性能を維持しなければなりません。 そこで、電位負荷環境下でも高い構造安定性を持つIrとPtの合金の触媒特性を検討するために、Ir単結晶上にPtを蒸着して合金を作製し、PEFCの実動作環境を想定した電位を印加して耐久性評価を行っております。

  • ひとこと:あなたの来訪を心よりお待ちしております!
hirofumi hirofumi

  • M1: 金子 聡真
  • 出身:長野県
  • 趣味:自転車とバイク、バドミントン、料理、ゲーム

  • 研究テーマ
  • 白金/遷移金属積層ナノ薄膜の電極触媒特性

  • 研究内容
  • 白金(Pt)-遷移金属(M)合金触媒は酸素還元反応(ORR)の触媒として広く研究されており、Pt-M合金触媒は単味Pt触媒と比較して高いORR活性を示すという報告が多数あります。 活性向上のメカニズムとして提唱されるものの一つに、Pt, Mそれぞれの格子間隔がバルクのそれと比較して変化し、最表面Ptに圧縮ひずみが作用し電子状態が変化する、というものがあります。また、合金化元素をFe, Co, Niとした場合、Pt-M合金は強磁性を発現するため、ORRに対する磁場の影響も検討されていますが、表面近傍の磁場の影響など詳細な議論はなされていません。 白金/遷移金属積層ナノ薄膜では、最表面Ptに作用するひずみ、磁場の方向を積層構造によって制御することを目的とし、それぞれの要素とORR活性の関係を明らかにすることを目指しています。

  • ひとこと:ゲーム好きな人待ってます
kaneko kaneko

  • M1: 笹川 廉
  • 出身:岩手県
  • 趣味:漫画、ギター、ダイエット

  • 研究テーマ
  • 窒化Ta基板上に堆積したPt超薄膜の電極触媒特性

  • 研究内容
  • PEFCカソード電極触媒のPt使用量の低減、触媒特性(反応活性、耐久性)の 向上の為、触媒最表面をPt、内部を遷移金属MとしたPtシェル/Mコア触媒が広く研究 されています。さらに、コア金属を窒化したPtシェル/M-Nコア触媒は未窒化コア触媒以上に 触媒特性が向上したという報告が挙げられています。 私はコア金属として窒化物が熱的に安定なTaに注目し、窒化Ta基板上にPtを堆積した Pt/Ta-Nモデルコアシェル触媒を作製し、その触媒特性を調査することを目的としています。

  • ひとこと:太りました...
sasakawa sasakawa

  • M1: 程 宏輝
  • 出身:福島県
  • 趣味:スノボ、スキューバダイブ、ピアノ、温泉めぐり、旅

  • 研究テーマ
  • CO2電気化学還元生成物のその場分析

  • 研究内容
  • 地球温暖化をもたらすCO2の大気中濃度の増加を食い止める方法の一つとして電気エネルギーでCO2を還元させて他の化学物質に変換する手法が考案されています。その際に用いられる電極触媒の種類によって反応の進行の仕方が異なってきます。 そのため、この反応系において電極触媒の種類ごとに反応の諸特性を明らかにすることはこの手法の実用化に向けて有用な知見をもたらすと考えられます。私の研究は、反応の実態をより明確に探るため、その場分析のできる質量分析計を用いて特に電極触媒ごとの反応生成物測定を行い、各電極触媒性能を比較することを目的としています。

  • ひとこと:脂肪募集中
tei tei

  • B4: 岡崎 楓子
  • 出身:鳥取県
  • 趣味:音楽、映画、写真、お酒

  • 研究テーマ
  • 金属・合金触媒表面における水素キャリアの脱水素特性

  • 研究内容
  • 近年、水素社会の実現に向け水素の輸送・貯蔵が問題となり、様々な水素貯蔵材料が検討されています。その中でもアンモニアボランは、1分子当たりの水素含有量が高く、安定性を持つという点から、水素の輸送・貯蔵の媒体として注目されています。 アンモニアボランの脱水素の方法として、電気化学的方法はあまり研究されていませんが、精密な反応制御が可能であり、室温で進行する加水分解よりも高活性を示す可能性があります。そこで私の研究では、アンモニアボランの電気化学的脱水素の特性を基礎的に評価することを目的としています。

  • ひとこと:スタジオ、ホームシアター、ショーケース完備の一軒家を建てることが夢です。
okazaki okazaki

  • B4: 川口 浩太郎
  • 出身:愛知県
  • 趣味:トライアスロン

  • 研究テーマ
  • Pt基合金微粒子触媒の合成と電気化学特性評価

  • 研究内容
  • 水素と酸素の化学反応により電気エネルギーを生み出す固体高分子形燃料電池(PEFC)は 発電中の生成物が水だけであることから、低環境負荷な次世代エネルギー源として注目されています。 しかし、燃料電池のカソード電極触媒には高価で低埋蔵量のPtが現在多用され、燃料電池普及の妨げとなっています。 そこでPt使用量削減のために、新規電極触媒の開発と評価を行っています。

  • ひとこと:好きなマンガは東京喰種です
kawaguchi
kawaguchi

  • B4: 菊池 耕平
  • 出身:広島県
  • 趣味:ベース

  • 研究テーマ
  • 電気化学走査トンネル顕微鏡によるPtナノ構造のその場形態観察

kikuchi

  • B4: 鶴巻 碩人
  • 出身:宮城県
  • 趣味:ドライブ スポーツ観戦 ゲーム

  • 研究テーマ
  • CO2電解還元生成物のオンライン電気化学質量分析

  • 研究内容
  • 電気化学的なCO2還元は溶液に浸漬した電極触媒表面上でCO2をCOおよびCH4、C2H4等の炭化水素に還元する反応で、還元生成物の生成効率は印加電位および電極触媒に依存します。 そこで、様々な電極触媒を用いて電気化学的CO2還元を行い生じた気体を直接分析することで、還元生成物の電位依存性を調査し、触媒表面上での反応メカニズムを解明することを目的としています。

  • ひとこと:節約大事
tsurumaki tsurumaki

  • B4: 細田 雅嗣
  • 出身:茨城県
  • 趣味:睡眠、ゲーム、旅行

  • 研究テーマ
  • Pt/Ir(hkl)表面合金の酸素還元反応活性と構造安定性

  • 研究内容
  • 2016年3月、トヨタ・MIRAIに続く燃料電池車であるホンダ・CLARITY FUEL CELLが発売されました。このCLARITYは先行開発車と違い水素タンクに圧縮水素タンクを採用し、MIRAIと設備共通化が図られました。 この他にも技術提携等の企業を超えた取り組みにより燃料電池車の普及が更に進んでいくものと考えられます。 この燃料電池車の普及の妨げとなっている問題の一つが、カソード電極上で進行する酸素還元反応(ORR)に用いられる触媒Ptによる燃料電池の値段高騰です。 このPt使用量を減らす上で、Ptと他遷移金属の合金が触媒として有効であると報告されていますが、燃料電池の動作環境である高電位負荷・酸性環境で遷移金属が溶出してしまう問題が発生します。 そこで我々は電気化学的に安定なIrに着目し、Pt/Ir系触媒の基礎的な研究として単結晶を用いたモデル構造を作製、ORR活性や構造安定性を評価しています。

  • ひとこと:旅はいいぞ。
hosoda hosoda

  • B4: 妙智 力也
  • 出身:埼玉県
  • 趣味:読書、カラオケ、プロデュース、TRPG

  • 研究テーマ
  • Pt-Co 多層ナノ構造の電極触媒特性

  • 研究内容
  • 生成物として水しか排出しないクリーンなエネルギーとして注目される燃料電池、その電極反応の触媒として用いられるのは稀少かつ高価である白金です。 白金の使用量を低減するため触媒としての活性を向上させるための研究が数多く行われており、なかでも白金と遷移金属を合金にしたさい白金格子に与えられる圧縮ひずみが活性向上に寄与することが報告されています。 本研究では白金とコバルトの格子定数の違いに着目し、白金とコバルトを交互に堆積した多層ナノ構造中でのコバルトの層厚をコントロールすることでひずみと触媒活性の関係性を調査することを目的としています。

  • ひとこと:うまい棒、一本10円で取り扱っております。
myouchi myouchi

  • B4: 渡邉 将
  • 出身:佐賀県
  • 趣味:バスケ(やるのも観るのも)、飲み、読書

  • 研究テーマ
  • N2イオンビーム照射したPtNi3(111)単結晶基板上の電極触媒特性の評価

  • 研究内容
  • 固体高分子形燃料電池(PEFC)は自動車の動力源として期待されています。 PEFCを広く普及させるためには、用いる電極触媒にはPtの使用量の削減及び実動作環境に耐えうる耐久性が求められます。 私の研究目的は、遷移金属窒化物をコアとし、周囲を白金で覆ったコアシェル構造が高い電極触媒特性を示すという先行研究にもとづき、その詳細なメカニズムを解明することです。

  • ひとこと:旅行行きたいです。PS4欲しいです。金欠です。
masashi
masashi