材料を超高温に耐えられるようにするには?

 「空を飛びたい!」その人類の夢を最初に叶えたのはライト兄弟でした(1903年)。飛行機には軽くて丈夫な羽が必要ですが、推力を得るエンジンも必要です。ライト兄弟の頃には機体重量は300kg程度で、小さなエンジンで十分でしたが、現代の航空機は機体重量が100トンを越えるものも多く、巨大なエンジンを積んでいます。そして、大きな推力を得るために、高温で燃料が燃焼されています。例えば、タービンブレードと呼ばれるエンジンの部品は1000℃を越える高温にさらされています。

 ここで必要なのが、高温でも強く、酸化されない材料です。材料は高温では弱い力でも曲がってしまい、最悪破断してしまいます。乗客の命を預かる航空機ですから、エンジンの部品が壊れてしまったら大変ですよね!ですので、高温でも外力にびくともしない強い材料、代表的なものとしてニッケルという金属を主成分とする合金(Ni基超合金)が使われています。

 さらに、エンジンは燃料と空気を混ぜて燃焼させるため、エンジンの部品が空気中の酸素によって少しずつ酸化されます。エンジンの部品が燃え尽きてしまったら大変ですよね!ですので、空気中の酸素が部品に触れないように、部品の表面をコーティングすることが行われています。

 さて、高温でも強く、酸化されない材料が必要なのは、航空機だけではありません。例えば、スペースシャトルのような、宇宙に行って地球に戻ってくる宇宙往還機にも必要です。往還機が大気圏に再突入する際、機体はものすごい高温にさらされます。そのため、超高温でも燃え尽きないセラミクスなどの材料が使われています。

 以上のように、空を飛んだり、宇宙に行ったりするには高温でも強く、酸化されない材料が必要です。そこで、私たちの学科では、炭素繊維複合材料(C/Cコンポジット)に着目し、材料の酸化を防ぐコーティングの研究をしています。多くの人が空に飛びたてるように。

C/Cコンポジット
グラファイトを電気化学的に珪化し得られたSiC皮膜の走査電子顕微鏡像

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