粒子をキレイに並べてみよう

当研究室では、粒径(30-500マイクロメーター範囲内に制御)の揃った微小球形粒子を選別工程経ずに液相から直接作製できるプロセスを開発してきました。また、様々な微小粒子を予め決められた位置に配置し、粒子単体では得ることのできない新規な機能特性を発見するための研究を行っています。

単一粒径の球形粒子(球形単分散粒子)は様々な可能性を秘めています。たとえば、小型電子部品の大量生産に伴って、将来の半導体実装技術の方向となり得る多点同時接合が求められています。粒径の揃った高精度はんだ粒子はこのような需要に応えることができます。また、球形半導体粒子は球面に集積回路を作ることによって、平面集積回路と比較してチップの面積が約三分の一に節減でき、より高集積な大規模集積回路が実現できます。さらに、太陽電池に球形半導体を用いることによって太陽光の入射角度を気にせずに太陽セルが3次元的に受光し、より安定した高出力な太陽光発電が可能となります。

一方、機能単一な微小粒子単体では実現できない新しい機能が粒子を配列することによって作り出すことが可能です。たとえば、熱電半導体球形粒子を接合することによりマイクロ熱電発電または冷却デバイスが現実となります。また、特定周波数の電磁波を透過または反射する特性のある材料より作製した球形微小粒子を規則パタンに3次元的に配置し、テラヘルツ波と呼ばれる電磁波の制御が可能になります。電磁波を思うままに制御することができれば、高速通信、医療・食品、さらに安全保障など様々な分野で応用されることが実現できます。