2020年7月現在

いざ、キャンパス内部へ!
鴇田先生に案内してもらいました。

仙台駅から地下鉄で9分の自然豊かな環境にある青葉山キャンパス。広大なキャンパスの中でも本学科は特に研究施設が充実しています。近年、次々に建物が建て直されたこともあって新しい施設での研究は学生の皆さんに好評です。
鴇田 駿 先生

鴇田 駿 先生

[佐藤研究室[材料システム工学コース]|助教]

千葉県出身。接合プロセスに関する研究を行う佐藤研に在籍。「弱点となりやすい接合部を強くすれば、製品全体の性能の底上げに貢献する」という恩師の言葉に感銘を受け接合研究の道へ。現在は、溶接部を錆びにくくするための組織制御や異種金属接合についての研究テーマを担当。

マテリアル・開発系 教育研究棟
マテリアル・開発系 教育研究棟

材料科学総合学科は、工学部の研究棟が並ぶ広大な青葉山キャンパスの東南に位置します。マテリアル・開発系の複数の研究棟が建ち並ぶ中央に教育研究棟があり、この建物にそれぞれの先生の居室や研究室が設けられています。

教育研究棟 内観
マテリアル・開発系 教育研究棟〈内観〉

教育研究棟は2014年に新築された地上5階の新しい建物です。エントランスは吹き抜けで大きなガラス窓から差し込む光が明るく、気持ちの良い開放的な造り。天井が高く広々としています。各階の中央にはコミュニティスペースがあり、研究の合間に寛いで過ごせます。

電子顕微鏡室

材料実験棟の1階に共用の電子顕微鏡を集約しています。中でも、走査透過型電子顕微鏡JEM-ARM200Fは、高さが3mと大型で、金属の原子像まで撮影可能な高い性能を有します。他にもさまざま機能を持つ電子顕微鏡が6台あり、これらは本学科におけるナノテクノロジー・材料基盤技術開発に大きく貢献しています。

電子顕微鏡室
電子顕微鏡室〈走査透過型電子顕微鏡〉

使い方は部屋に常駐する技術職員が指導してくれるので学生は安心して利用しています。

材料加工室〈サーボプレス機SDE-2025〉

中央のサーボプレス機は、上型の上下動や加減速、停止を自在に制御できる200トンプレス機です。高さが約4m、重さが24トンもある非常に大きな装置です。動作の精密な制御により、成形性や精度を向上させることができます。

材料加工室〈冷間圧延機〉
材料加工室〈冷間圧延機〉

他にも材料を板や棒状に加工するための機械が並び、こちらも使い方は技術職員が指導してくれます。写真は冷間圧延機で材料を伸ばしている様子です。

材料強度試験室
材料強度試験室

この部屋には、材料の強度を試験するために引っ張ったり、曲げたり、圧縮したりできるる装置が数多くあります。-200℃以下の極低温から1,500℃以上の超高温まで、さまざまな環境で試験することができます。写真は超高温圧縮試験機です。

材料強度試験室での実験について
材料強度試験室<超高温クリープ試験①>

クリープとは、高温で材料に荷重をかけたときに材料が刻々と変形し続ける現象のことです。こちらは、超高温クリープ試験の様子。試験片をグラファイトの治具と呼ばれる器具に装着し、治具を介して荷重をかけ試験片の中央部最も細くなっている部分(長さ5 mm、幅3 mm、厚さ1 mm)を変形させます。

材料強度試験室での実験について
材料強度試験室<超高温クリープ試験②>

装置内部でオレンジに輝いているのは、試験片(中心の「」状に見える細い部分)とその上下にあるグラファイトの治具です。光学センサーを用いて試験片の長さを直接測定することで超高温下においても数µmの変化を捉えることができます。高温での材料変形の理解は、新しい高温材料の開発に重要です。
超高温なので、写真とは違い肉眼では見られない場合がほとんどです。

レアメタル総合棟
レアメタル総合棟

この装置はプラズマアーク溶解炉です。アルゴンガスを使った2,000℃以上のプラズマの熱によって、金属やセラミックスを溶解することができます。この装置を使い世界で初めての組成を有する合金作りにチャレンジしています。

レアメタル総合棟
レアメタル総合棟<プラズマアーク溶解炉>

自分で設計した合金を自分で作ることも材料科学の醍醐味です。こちらは新たに設計した生体用金属材料であるチタン合金を溶解している様子です。金属が溶けている様子を見られる機会はなかなかありません。

佐藤研実験室
佐藤研実験室

金属材料で製品や構造物を製造するためには、接合プロセスが欠かせません。これは摩擦攪拌接合装置ですが、高速回転する工具を押し付けることで材料を加熱・軟化させ、かき混ぜることで接合します。

佐藤研実験室〈摩擦攪拌接合装置〉
佐藤研実験室〈摩擦攪拌接合装置〉

摩擦攪拌接合装置で専用の工具を鋼に挿入している様子です。工具と鋼の摩擦熱で高温になるため、接合部が熱を帯びて赤くなっています。

佐藤研実験室で摩擦攪拌接合させた金属プレート
佐藤研実験室〈摩擦攪拌接合させた金属プレート〉

金属を溶かさずに接合できることが一番の強みで、近年自動車や電車などへの利用が拡大しています。

村上研究室
革新プロセス研究棟〈X線CT装置〉

大小さまざまな材料や原料の内部の情報が得られます。また、通常は試料が回転しますが、本装置は検出器を回転させるため壊れやすい試料や液体を含む場合でも測定が可能。我々はカーボンニュートラルを実現すべく製鉄原料の反応に伴う変化を調査しています。

大講義棟
大講義室

本学科で最も大きい講義室。最大180名の学生が聴講できます。前方に大きなステージが設えられ、階段型教室のため、後ろの席でも見聞きしやすい造りになっています。必修科目の講義や卒業論文発表会はこの教室で行われます。

ブックカフェ
BOOOK

コンビニのように豊富な品揃えの生協の隣にはブックカフェBOOOKがあり、工学分野にとどまらない多様な書籍が並びます。

− 受験生の皆さんへ

いかがでしたか?材料科学総合学科では、開放的な造りの新しい研究棟で日々材料研究に取り組んでいます。ひとことに「材料研究」といっても、新材料の創生や微細構造の観察、性能評価、接合などのさまざまな切り口があり、各分野で最新の装置を使った最先端の研究を行っています。ぜひ、このキャンパスで世界をリードする材料研究をしましょう!