2013研究室紹介:学部3年生へ



研究室を決めるにあたって


研究室は卒論を仕上げるためだけでなく、その後における物事の考え方の基本を学ぶ場です。また同じ研究室に所属した先輩・後輩や同級生同士の関係など将来にわたっての貴重な人間関係を作っていく場でもあります。もちろん研究以外にも様々なイベントがあり人生の中できわめて濃密で楽しい時間です。いずれにしても研究室担当者や先輩たちの醸し出す“雰囲気”はいろんな意味でその後の研究者・技術者としての進路に大きな影響を与えます。 どの研究室のどの研究テーマであっても、教科書にはない新しいことに取り組む わけですから、ただ”楽な”だけのテーマなどないと思います。そう言った意味から、自分が現在何に興味があり、何をやってみたいのか、よく考えて卒論研究室を選択してください。(和田山)



学生による研究テーマ紹介

D3: 轟 直人

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出身:栃木県那須塩原市
趣味:クラシックギター、コーヒー飲みながらの読書

研究テーマ
白金基モデル触媒のドライプロセス合成と燃料電池電極触媒特性

 

研究内容

最近のニュースでもときどき見かけるように、2015年に 燃料電池自動車の市場導入が開始されます。私はこの燃料電池自動車の心臓部である固体高分子形燃料電池(PEFC)の電極触媒材料に関する研究を行っています。

 燃料電池の反応は、よく水の電気分解の逆反応(水素と酸素から水が生成する反応)として説明されます。この反応をスムーズに進行させるために、触媒として大量の白金が必要とされていますが、白金を大量に使用すると燃料電池自動車のコストが非常に高くなってしまい、ガソリン自動車と同様に広く普及させることが困難です。そこで、白金を合金化させ、白金使用量を削減し、なおかつ白金を向上させる研究が世界的にされています。私の研究は、この合金触媒がどのような構造をしていれば、最も高い触媒特性を発現するかを明らかにしようというものです。

 当研究室の研究内容はほとんどがナノ、原子レベルの世界を見ていこうとするものです。こういう細かい、小さい領域での化学現象に興味があるような人が向いているかもしれませんよ。

ひとこと:今年は“謎の研究室”と言われないよう頑張ります!

M2: 近土 昂之

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出身:岡山

趣味:ツーリング 地理 野球観戦
   (楽天日本一最高)


研究テーマ
・Pt/Au(hkl)表面系の酸素還元反応活性

 

研究内容

燃料電池の触媒としてPtが用いられていますが、普及のためにはPt使用量の低減という課題があります。
私の研究では、Pt合金系におけるPtの表面構造と触媒活性の関係を明らかにし、より効率的な触媒の形状を提案することが目的です。
実験としては、超高真空中でAu単結晶基板にPtを蒸着させ、構造の規定されたPt単結晶表面合金を作製し、
電気化学測定において触媒活性を測定することで、構造と触媒活性の関係性を探っています。

ひとこと:どっちかっていうと、デスクワークより実験が好きって人が向いていると思います。

M2: 高橋 俊太郎

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出身:神奈川県

趣味:楽器演奏(トランペット)自転車旅行


研究テーマ
チオール吸着貴金属ナノ微粒子の凝集挙動に関する研究

 

研究内容

バイオイメージングの造影剤や燃料電池触媒などに用いられている貴金属ナノ微粒子は多様な環境下で安定して特性(表面プラズモン共鳴、触媒能 etc.)を発揮することが求められます。しかし、微粒子表面は不安定なことから、微粒子同士がくっつきあい(凝集)、求められる特性が得られなくなることがあります。この問題を解決するために使用されるのが安定化剤です。私の研究では代表的にな安定化剤であるアルカンチオールを表面に吸着させた貴金属ナノ微粒子に、熱エネルギーや電気エネルギーを与えた場合の凝集挙動を明らかにすることを目的としています。

 

ひとこと:珈琲抽出の最適解探求という言葉にピンときた方は当研究室まで

M2: 高橋 佑

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出身:山形県

趣味:野球観戦、バッティングセンターめぐり、たまにゲーセンでMSに乗ってます


研究テーマ
Pt系合金の表面構造とORR活性評価

 

研究内容

自動車の歴史を見ると、石炭を使い水を沸騰させる蒸気機関を利用した蒸気自動車から始まり、石油を使うディーゼル車やガソリン車、近年であれば充電した電気を使いモーターで動く電気自動車と大きく変遷してきたことがわかります。次なる変遷先としては、水素を燃料とする燃料電池車等が挙げられます。
私たちの研究室ではその燃料電池車に使われている燃料電池カソード電極用Pt触媒の研究を行っています。Ptは非常に希少かつ高価な金属であり、触媒中の使用量を減らすことが求められています。そのために私はPtとPdを合金化したPt-Pd表面合金の研究を行っています。
具体的には超高真空チャンバー中でPd基板の上にPtを堆積させたPt-Pd表面合金を作製し、その表面構造の観察と電極触媒特性の評価を行っています。

 

ひとこと:今年こそ研究室対抗野球大会上位入賞を。経験者、初心者問わず有志求む。

M1: 浅木森 遊

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出身:広島県

趣味:料理、掃除


研究テーマ
電気化学STMによるPt基合金のその場観察

 

研究内容

表面の状態を知ることは、様々な研究分野において非常に重要な意味を持っています。
この研究ではPt電極触媒に着目し、電気化学STMにより電極表面で起こる電気化学反応を電位制御によって厳密に制御しながら同時に原子的分解能で表面構造を観察し、その特性を評価しています。

 

ひとこと:このwebページを閲覧している方は、和田山研究室にそこそこ関心を持っている方だと思います。是非見学にお越し下さい。

M1: 横田 直宏

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出身:岩手県
性別:男
出身:岩手県
趣味:睡眠・麻雀


研究テーマ
Cu系合金表面におけるCO2電気化学還元

 

研究内容

CO2電気化学還元は、化石燃料等の燃焼により排出されるCO2を電気化学的に還元することで様々な生成物へと再利用出来る方法です。還元生成物としてはCH4、C2H4といった炭化水素類、反応中間体であるCOやHCOOH等があり、その表面反応が表面構造や組成の変化に大きく影響される可能性が示唆されています。
私はCO2還元効率の特に良いCu基板にNi等の他金属を超高真空中で蒸着させることで合金表面を作製、その作製した基板のCO2還元効率を調べています。

 

ひとこと:“表面”という他とは違う切り口で研究を行っています。雰囲気、チームワークもとても良いです。先生の授業を受けた、受けていない関係なく、興味を持った方は学生実験レポート提出先にもう一度足を運んでください。

B4: 井上 達彦

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出身:神奈川県


研究テーマ
分子線エピタキシ法で作製したPt/Ni/Au(111)表面合金の電気化学特性

 

研究内容

固体高分子形燃料電池(PEFC)のカソード電極触媒として合金のコアシェルナノ微粒子が研究されています。そのモデルとしてAuの単結晶にNiとPtを蒸着させたサンプルを作製、電気化学特性の評価を行います。

 

ひとこと:ぜひ来てください

B4: 植田 絵里菜

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出身:高知県高知市
趣味:写真、芸術鑑賞


研究テーマ
アークプラズマ蒸着(APD)法により作製したHOPG上Pt/Pdナノ微粒子の酸素還元反応特性

 

研究内容

固体高分子形燃料電池(PEFC)のカソード電極触媒に用いられるPt担持カーボン上にPdナノ微粒子を蒸着したのちに、Ptナノ微粒子を蒸着する。その配分により酸素還元反応特性にどのような変化が見られるのかを調べる。
APD法を用いてHOPG上にPd, Ptを順に堆積させたモデル試料を作製し、電気化学特性、耐久性の測定、表面構造の観察を行います。

 

ひとこと:研究室には、お菓子がいっぱいで太っちゃうなぁ〜。困ったなぁ〜。見学に来てお菓子を減らしてください!!

B4: 加藤 貴士

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出身:三重県亀山市
趣味:将棋、音楽鑑賞


研究テーマ
アークプラズマ蒸着(APD)法により作製したHOPG上Ptナノ微粒子の酸素還元反応特性

 

研究内容

固体高分子形燃料電池(PEFC)のカソード電極触媒に用いられるPt担持カーボン上でのPtナノ微粒子の分散が電極触媒特性に与える影響について調べるために、APD法を用いてHOPG上にPtを堆積させたモデル試料を作製し、電気化学特性の測定、表面構造の観察を行います。

 

ひとこと:とりあえず見学に来てもらって、お菓子を食べながら一緒に水曜どうでしょうの話をしましょう。

B4: 川村 隆太郎

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出身:岩手県
趣味:麻雀


研究テーマ
白金ナノ微粒子の電気化学STM観察

 

研究内容

燃料電池に使われる白金触媒の挙動を調べるために、グラファイト基板上に白金ナノ微粒子を堆積し、電気化学STMを用いて溶液中の表面構造を観察しています。

 

ひとこと:表面科学の分野に少しでも興味があるという方はぜひ一度見学にいらしてください。

B4: 築田 直也

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出身:石川県
趣味:野球観戦、読書


研究テーマ
貴金属ナノ微粒子吸着チオール分子のラマン分光測定

 

研究内容

ラマン分光は試料に単色光を照射し分子振動によって散乱された光を測定する分析法です。
また、AuやAgなど特定の金属表面に吸着した分子は散乱強度を増強させる現象(表面増強ラマン散乱)を起こすため、高感度での測定が可能です。
この研究では、ラマン分光法を用いてチオールを吸着させた貴金属の凝集挙動について調べています。

 

ひとこと:講義や学生実験を受けていても研究室生活や実験内容についてはよく分からないと思うので、現時点で和田山研に興味がない人も気軽に見学にいらしてください。

B4: 中畑 翔子

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出身:青森
趣味:読書、観劇、甘味


研究テーマ
Cu系合金表面上のCO2電解還元反応

 

研究内容

二酸化炭素(CO2)は電気化学還元によってメタン(CH4)等のエネルギー利用可能な物質に変換することができます。本研究では電極の中でも特にCO2還元効率がよいと知られている銅Cuの基板にNi等の他金属を蒸着することでモデル合金試料を作製し、その電極表面上でのCO2電気化学還元の特性について実験研究しています。

 

ひとこと:たのしいひとたちがいっぱいです。ぜひおいでませ。

B4: 番土 陽平

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出身:富山県
趣味:料理、ボードゲーム、TVゲーム等


研究テーマ
Pt単結晶上に吸着した水分子の赤外観察

 

研究内容

通常、固体高分子形燃料電池には電極触媒としてPtが用いられるのですが、これにNiを添加することによって電極触媒としての性能が高まることが知られています。
私はPtとPt-Ni系表面合金の水の吸着構造や挙動を観察することにより、性能が高まるメカニズムを解明しようと試みています。
水の吸着挙動の観察には赤外分光器(FT-IR)を、試料の作成には超高真空チャンバーと分子線エピタキシー堆積法(MBE)を用いています。

 

ひとこと:飯と酒が好きな方、ぜひ一緒に飲みましょう。