What We Do 概要・目的

設立趣旨・目的

先進鉄鋼研究・教育センター(以下ARECSと略記)は、賛助会員の民間企業からの寄金に基づき、先進的な鉄鋼プロセス、鉄鋼材料及び鉄鋼の利用技術に関わる研究を推進し、また、これらの鉄鋼に関わる基礎教育と鉄鋼研究の実践を通して学部学生や大学院生の教育、育成を図り、我国鉄鋼業の持続的発展に寄与することを目的に、2005年4月1日に設立。

代表挨拶

先進鉄鋼研究・教育センター(ARECS)は、 平成17年にマテリアル・開発系が鉄鋼を主体としたグリーンマテリアルの教育・研究に関して、文部科学省「産学連携による実践型人材育成事業—長期インターンシップ プログラムの開発—」に採択されたことを契機として、趣旨にご賛同いただいた鉄鋼関連企業からのご寄附を原資に設立されました。東北大学における、先進的な鉄鋼プロセス、鉄鋼材料および鉄鋼利用技術等に係わる研究の推進と、鉄鋼に係わる教育の充実を図ることを目的とするものであり、本系に所属する教員と本センター設立に賛同する企業による賛助会員からなるバーチャルな研究組織です。
 
 ところで、我が国の高等教育機関における鉄鋼に関する教育・研究の衰退傾向は著しく、各地の大学の工学部・工学研究科から鉄鋼の教育と研究に関わる講座や分野が激減しています。世界トップの技術を誇る日本の鉄鋼業の衰退につながりかねない状況です。本学も例外ではありません。ARECSは、そのような危機感から発足しましたが、現在でも、この危機的な状況に変化はありません。むしろ、IoT技術・人工知能の普及、自動車の電動化といった社会の変革期を迎えており、大学もその様な新分野に資源をシフトする傾向が顕著になってきております。鉄鋼分野の教育と基盤研究においても、従来とは異なる新しい切り口での取り組みが求められています。
 
 近年、工学分野における教育と研究に対し、「産学共創」というキーワードが多くの場面で使われるようになってきました。ARECSでは、これを先取りして発足当初より、賛助会員企業のご協力を得て修士学生向けに「先進鉄鋼工学」を開講しております。基礎的な学理と鉄鋼生産・鉄鋼材料との関わりを体系的に学ぶことができる講義となっており、学生が自分自身の研究と産業とのつながりを考える実践型人材育成科目として上手く機能しております。また、学生が自分の将来や職業を考える契機にもなっております。
 
 また、カーボンニュートラルや資源循環などの鉄鋼業が企業の枠組みを超えて協調して取り組むべき課題に対し、若手教員がチームで基盤研究に取り組む制度も令和3年度に新設いたしました。チーム研究の成果は、賛助会員企業の皆様に、報告会として情報発信をさせていただいております。この成果報告会を契機に、若手教員と議論を深め、個別の共同研究に発展することを願っております。また、教員が賛助会員企業に出向き、技術指導や講義を行うサービスを行っております。この教員派遣制度はあくまでも賛助会員企業へのサービスですが、派遣された教員が企業における物づくりの現場や材料開発の一端に触れることで、教員自身が社会のニーズを知り、産学共創の理念の下で鉄鋼に関して新しい研究の方向性を見出す契機となることも期待しております。
 
 鉄鋼業を下支えするこの様なARECSの活動をご理解頂いた上で、1社でも多くの鉄鋼関連企業が本センターへの参画をご検討下されば幸いです。

2023年5月
ARECSセンター長マテリアル・開発系教授 佐藤 裕

沿革

2005年 04月01日 設立
  09月 基盤研究開始
2011年   大学院講義「先進鉄鋼工学」開講
2018年 06月 教員派遣制度開始

組織・運営

ARECSでは継続的に先進鉄鋼技術の開発研究を推進しています。それとともに、研究課題に応じて、適切なマテリアル系専攻の各研究分野を選択、あるいはそれらの連携により、効率的に研究開発を推進します。研究課題の設定等の企画運営は先進鉄鋼研究・教育センター運営協議会(マテリアル・開発系教員と連携企業からの委員で構成)が中心となり行います。

ARECSの運営資金は企業からの年度毎の拠出基金をベースに運営しています。