材料システム工学専攻 接合界面制御学講座 

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研究概要
 本研究室では、材料加工プロセスのうち接合プロセスに関する研究を行っている。 接合プロセスは、電子部品から航空宇宙機器に至るあらゆる製造工程で駆使されている基本技術である。我々のグループでは、接合プロセスに材料科学的観点からアプロ ーチし、より特性の良い接合部を創出するため主に次のようなテーマについて研究し ている。
1.接合部の材料組織学的研究
 高温接合プロセスの熱履歴により、接合部の材料組織は変化し、それに伴って材料 特性も変化する。そこで、各種材料の接合部の特性変化に関して材料組織学的な観点から基礎的研究を行う。また最近では、材料特性は微細組織を構成する結晶粒,結晶 粒界の性格分布などによって大きく影響をうけるため、結晶方位自動解析システム OIM(Orientation Imaging Microscopy)を用いた接合部の組織解析・制御を試みて いる。
2.接合過程の材料物理化学に関する研究
 接合法の中には非常な高温を利用する場合も多く、接合部は急激な熱履歴を受けて 材料本来の特性を損なう場合がある。そこで、接合過程での固体-気体-液体間の相互 の反応を材料物理化学の観点から解析を行い、接合過程の諸反応ならびに接合部のコ ンタミネーションについての知見を得、その基礎データを接合プロセス改善・開発に利用する。
3.高エネルギービームによる接合及び表面改質に関する研究
 電子ビームやレーザビームのような高密度エネルギービームを照射して材料の接合 や表面改質を行う方法は、狭い領域での高速加熱冷却サイクルが特徴で、通常の溶融接合法とは異なる優れた材料特性を創出する可能性を示すが、未知の点も多い。そこ で、その接合及び表面改質部の諸特性を系統的に調べ、更なる高性能化を図る。
4.特殊環境下における接合に関する研究
 海洋開発が進み宇宙空間の利用が検討されるに至り、種々の特殊環境下で構造物構 築が必要となってきているが、その接合プロセスには多くの課題があり基礎データも少ない。そこで、海底での水中高圧雰囲気や宇宙での減圧微小重力雰囲気など特殊 環境下での接合プロセスに関する基礎データを蓄積し、健全な接合部を効率よく得る 条件を検討する。
5.各種接合プロセスに関する研究
 拡散接合、ろう接、圧接などは、溶融接合に比べて熱の影響が小さく、接合プロセ スによる材料特性劣化を比較的小さく抑えることができるため、溶融接合が困難な材料や異種材料の接合に適用される。しかし、接合部の健全性や接合界面での反応相及 び偏析などの課題があり、接合機構にも不明な点が残されている。そこで、各種接合 プロセスの接合機構の解明とともに高特性接合部を効率よく得る方法について検討する。