金属フロンティア工学コース

現代の工業を支える金属素材産業に貢献する研究を

金属素材産業は現代の工業を支えています。その最も基本となる粗金属から不純物を取り除いたり、様々な元素を配合する際の溶融金属内の化学反応(物理化学)、温度や組成の違いがもたらす材料特性の変化を予測する方法(材料組織学)、溶けた金属から精密な形状の製品を造るための伝熱・流体の力学、製造した金属材料の原子構造や組成を分析する結晶回折学や分析科学等を学びます。

自動車、宇宙…工業的ニーズに応える製造法、材料開発

日本は自動車用高性能鋼板の製造法では世界に誇る技術を有しています。これをさらに高度化するとともに環境に配慮した製造法の開発を進めています。また、エンジン製造の中核技術として金属材料の精密鋳物製造技術や、多くの材料製造ノウハウのデータベースにもとづき、様々な工業的ニーズ(たとえば、高耐熱材料の製造法、高強度材料)に対応した材料内部微細組織を持つ材料を計算機により予測する方法、宇宙のような極限環境下で使用する超高耐熱・高強度材料を生み出す上で有用な溶融塩・高温融体内材料化学等を究めていきます。

[代表的な科目]

材料組織学・材料強度学・材料電子化学・材料物理化学・溶液の物理化学・材料反応速度論 結晶回折学・伝熱・流体の力学・金属製錬工学・鉄鋼精錬学・材料分析科学 等

研究室一覧

●金属プロセス工学

教授 長坂徹也/准教授 三木貴博/助教 平木岳人

長坂研究室では「金属プロセス工学講座」の名のとおり、普段の生活で一番身近な材料である「金属」の製錬プロセスを扱っており、その工程における様々な問題を、解決することを目的として研究を行っています。その問題の一つとして、日本のエネルギー消費量の約11%が鉄鋼業で消費されており、鉄鋼プロセスにおいては、莫大なエネルギーが必要であることが挙げられます。鉄鋼プロセスのエネルギー消費量の内、約70%が、鉄鉱石から溶けた鉄を造る、高炉プロセスで消費されています。より省エネルギーで金属を作る研究に取り組んでいます。

●創形創質プロセス学講座 創形材料工学分野

教授 安斎浩一

鋳造法は、液体状態の金属を型の中に充填し凝固させることで、複雑な形状を有する製品(鋳物)を製造する技術です。
鋳物というと伝統工芸品をイメージする方が多いかもしれませんが、実際はそのほとんどが自動車部品やデジタルカメラといった工業製品の重要部品として利用されています。安斎研究室では、より軽量でより高強度・高信頼性・低コストな鋳物を製造するための研究を産学協同で進めています。

●創形創質プロセス学講座 計算材料構成学分野

教授 貝沼亮介/准教授 大森俊洋/助教 許皛

貝沼研究室では、「材料の地図」とも言われる状態図(純物質や元素の混合物が任意の温度、圧力、成分比においてどの様な状態となるかを示した図)を実験及びコンピュータ解析によりデータベース化しています。その成果を利用することで、従来、試行錯誤であった材料開発が効率的に行える状態になってきました。形状記憶合金、鉄鋼材料、磁性材料、耐熱材料等の多岐に渡る次世代の新材料を開発しています。

●創形創質プロセス学講座 素形材プロセス学分野

教授 及川勝成/助教 上島伸文

「素形材」とは、材料に熱や力を加え、形を与えた部品や部材のことを指します。私たちの身の回りの製品の多くは、この素形材により作られており、ものづくりの原点とも言えます。材料を素形材にするプロセスには、鋳造、圧延、鍛造、プレス、粉末冶金などがあります。及川研究室では、素形材プロセスの中でも、塑性変形(物体に力を加えて変形させる)を伴う、圧延、鍛造、押出し、引抜きなどのプロセスを使いながら構造用材料および機能性材料の高機能化とプロセス開発に関する研究を行っております。

●先端マテリアル物理化学講座 材料物理化学分野

教授 朱鴻民/准教授 竹田修/助教 盧鑫

室温で固体のイオン結晶を加熱し、高温で溶融した液体を「溶融塩」と呼びます。実は、金属アルミニウムは溶融塩を利用して製造されており、私達の身近にはありませんが、産業界では大量に使用されているものです。朱研究室では、溶融塩中での電気分解を利用して金属系材料を製造したり、金属系材料をリサイクルしたり、また、溶融塩そのものの物性を研究していたりします。機能性の高い液体を自在に操ることによって、新しい材料を生み出すことを目指しています。