趣旨

「材料科学リカレントセミナー」のご案内と受講のお誘い

2021年3月より、マテリアル・開発系では、新たに企業の若手エンジニアを主な対象とする「材料科学リカレントセミナー」を開始しました。

これは、これまで本系が教育面からの社会貢献が不十分だったとの反省に立ち、本系の材料系グループとしては我が国最大の教育資源を、社会、特に企業のエンジニアの方々にもご利用頂こうとの趣旨になります。背景として、現在、我国のメーカー各社は、程度の差こそあれ、新入社員や若手社員の教育にかつてほど力を割き難くなってきているとお聞きしております。この現状を補完するため、東北大学のみならず全国の大学教員にも講師に加わって頂きながら、東北大学がリーダーシップを取って、このセミナーを継続的に運営していく計画です。

本セミナーでは、受講対象として2つのグループの若手エンジニアを想定し、材料関係のセミナーを有料で実施致します。

一つは、「材料系を卒業したエンジニア」のための学び直し授業で、基盤科目は2024年度より「電気化学」を新しく加え7科目、展開科目は5科目設定しました。ご出身の大学によっては、独立した材料系ではなかった、あるいは授業を担当される教員が少なかった場合には、初めて学ぶ内容も多いかと考えております。

そしてもう一つは、「材料系以外の出身で現在材料の仕事に携わっているエンジニア」のための系統的な材料入門の授業で、材料科学の骨子だけを繋いでコンパクトに学べる入門講座を計画しました。この授業では、各分野のエキスパートが90分ずつ1つのテーマを決め、噛み砕いて講義を行います。

初年度の受講者アンケートを踏まえ、2022年度よりオンデマンド形式を採用しております。2025年度もオンデマンド形式を基本といたしますが、一部、対面形式での講義、実習を盛り込み開講いたします。

受講者へのアンケートからは、

授業内容については、「期待以上」18%、「期待していたような内容」79%、「期待していたものと違った」4%

講義の難易度については、「一部は難しいが概ね理解できる」72%、「分かりやすく適度」19%、「全体に難しく分からない」7%

今後の業務の役に立つかについては、「今後役に立つ」39%、「ある程度役に立つ」53%、「どちらともいえない・あまり役立ちそうにない」10%

このように好評を頂いております一方で、

配信期間をもう少し長く取ってほしい、

配信期間中は復習のために配信済みの講義も視聴できるようにしてほしいとのご意見をいただきました。

以上を鑑み、若手エンジニアの皆様により受講しやすい授業形態を検討致しまして、動画の視聴は1ヶ月を一区切りに順次(3〜4コマずつ)視聴開始できるようにし、また最後の講義の視聴期間が満了するまで遡って視聴できる形と致します。

受講者の都合のつく時間に、自由に何度でも受講できる受講しやすい授業形態となっておりますので、新入社員研修や若手社員研修への継続的利用を視野に入れながら、ご参加をご検討いただければ幸甚です。

また、科目構成は年毎に見直しを行なっており、2025年度は展開科目「粉体加工学とAdditive Manufacturing」を基礎的な内容を含んだものに変更いたします。

なお、教材につきましても、基本的に3年間を目安に定期的にリバイズを行なっております。

本系のセミナーは、広範囲にわたる材料系の基礎知識を合理的に網羅した内容になっております。ぜひご活用いただければ幸甚に存じます。

2025年3月

東北大学マテリアル・開発系
材料科学リカレント教育プログラム
系長・プログラム長 武藤  泉
セミナーWG長 及川 勝成