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音波を利用する金属材料のメカニカルコーティングおよび表面複合化法(担当:孫研究員)

 超音波などの音波エネルギーを利用し、種々の形状を持つ金属材料の表面に金属、金属化合物、セラミックスのコーティング膜を短い処理時間で形成させるための方法を提案し、実証装置を作製した。 これを使用して、処理の有効性を予備実験で確認すると共に、実用化に向けた検討を行っている。 さらに、金属とセラミックスの複合皮膜の形成、メカノケミカル効果による表面改質など、本方法を応用した新しい技術に関する検討を継続している。 装置は、周波数自動調整機能をもつ発振機、超音波を発生するトランスデューサー、振動を伝達する振動子と筒状の共振チャンバーから構成される。 金属あるいはセラミックス製のボールを、金属やセラミックスのコーティング粉と共に共振チャンバーに装入し、共振周波数に調整した高周波の音波あるいは超音波を作用させる。 チャンバーが共振振動することにより、ボールと粉体粒子が激しく運動し、チャンバー上部のコーティング対象材料表面と激しい衝突を繰り返すことにより、材料表面が複合化されるものである。 また、材料表面に粉末やアルコールなどをプレコートすることにより、コーティングおよび複合化が促進される現象を確認し、これによるパターンニングが可能であることも確認した。
 本研究は、新産業創造物質基盤技術研究センター(MSTeC)での研究プロジェクトとして行っているものである。また、本研究に関する関連特許を申請中(特願2006-017502)である。

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還元反応を利用した高機能発泡鉄鋼材料製造プロセスの開発(担当学生:大豆生田)

 鉄鋼はアルミニウム系材料に比較して原材料費が小さく、高強度であり、他の鉄鋼構造材料との接合性に優れるため、鉄をベースにした発泡材料がアルミニウム発泡体並みの高発泡率で製造することが出来れば、輸送機器や構造材料の軽量化や高機能化など様々な用途が期待出来る。
 本研究では酸化鉄の還元反応により発生するCO・CO2ガスに着目し、酸化鉄粉、純鉄粉及び黒鉛粉からなる混合鉄粉を用いて還元反応で生成する同ガスを発泡剤として利用した発泡鉄の製造方法の開発を行っている。 混合粉成形体の急速加熱により、3段階のプロセスにより発泡体が作製される。 第1段階では鉄−炭素系状態図上の共晶温度以上への加熱により、接触していた鉄と炭素粉末が反応し、鉄−炭素系融体が生成する。 第2段階では生成した融体に酸化鉄が接触し、還元反応が急激に進行し、大量のガスが生成する。 第3段階では生成したガスにより鉄−炭素系融体が発泡する。 このような発泡機構により製造される発泡鉄の気泡形状や分布の解析、強度試験などを行っている。

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ISPによる乾式亜鉛製錬の焼結プロセス改善によるリサイクル原料の高効率処理(担当学生: H. W. Latt)

 ISP (Imperial Smelting Process)による亜鉛の乾式製錬では、溶鉱炉での亜鉛還元揮発を行う前に亜鉛精鉱の脱硫焙焼と塊成化のため、焼結を行う。 この際の主なエネルギー源は、硫化鉱に含まれる硫黄の酸化燃焼熱である。 この熱量は極めて大きく、原料全体の25%程度の硫化鉱が持つエネルギーで焼成が可能である。 他の75%は主に返鉱(かえしこう)と呼ばれる細粒焼結鉱で、この意味では焼成量の1/4しか成品にならない極めて非効率的なプロセスとなっている(実際は、脱硫率や成品焼結鉱の強度向上、高品質化などに不可欠なものとされる)。
 一方、製鋼用電気炉ダストや廃棄物溶融飛灰などの含亜鉛ダスト中の亜鉛は酸化物(一部塩化物)の形態を呈し、硫黄の燃焼エネルギーが期待できない。 しかし、例えば、返鉱の一部をこのような亜鉛酸化物で代替することができれば、プロセスを大きく変更することなく、焼結プロセスの高効率化が可能になる。 このためには、亜鉛酸化物使用量を増加した条件下で、焼結鉱の強度(破砕後粒度)の上昇が必要であり、本研究ではこれを実現するための新しい原料予備処理法について検討している。
 なお、三井金属鉱山鰍ニの包括研究契約に基づき、八戸製錬鰍ニの共同研究として行っているものである。

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電気炉ダストからのヘキサクロロベンゼンの発生と分解挙動の解明(担当学生:志村)

 残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants)に関するストックホルム条約(POPs条約)において、HCB(Hexa- Chlorinated Benzene)は、ダイオキシン(Dioxins)、ジベンゾフラン(Dibenzo-Furans)、PCBs(Poly-Chlorinated Biphenyls)と共に排出インベントリーの作成および対策の計画策定が必要な非意図的生成物質に規定されている。 製鋼用電気炉プロセスからは、そのいずれについてもある程度の発生が確認されており、日本鉄鋼連盟および普通鋼電炉工業会において、精力的な検討が行われている。
 本研究では、電気炉製鋼プロセスから排出される排ガスの冷却・除じん過程、特にダスト粒子から発生するHCBの挙動と生成抑制法について基礎的に検討している。
 なお、本研究は、東北大多元研大塚研究室との共同研究であり、(財)鉄鋼業環境保全技術開発基金からの研究資金援助を受けて行っているものである。

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アスベスト廃棄物と廃棄物焼却灰の高効率・高信頼性溶融無害化および資源化(担当学生:真瀬)

 アスベスト廃棄物(特に飛散性のある特別管理産業廃棄物)と焼却灰の高温溶融による無害化処理と再資源化を確実かつ効率的に行うためのマニュアルを、基礎研究によるデータベース構築と焼却灰溶融炉による実証試験からのフィードバックによって確立する。 アスベスト廃棄物はモルタルなど他の物質と複合化しているため、局所的な成分偏在に加え、平均化学組成の大きなばらつきが存在する。 これが、溶融処理におけるスラグ化不良の主たる原因であり、燃料比増加、耐火物損傷、稼働率低下に直結する。一方、焼却灰の組成も焼却対象物や排ガス処理法によって変動し、特に産業廃棄物の場合に顕著である。 したがって、常に的確な組成制御を行い、低温で流動性が高い液相を形成する技術開発が不可欠である。
 本研究では、フラックス材添加や溶融炉の操業条件を最適化するための基礎研究に基づきデータベースを構築、操業マニュアル化を図り、実証試験によって検証する。

第1回実証試験(2006.10.24〜26, 於 最上クリーンセンター(山形))

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自動車・家電シュレッダーダスト燃焼飛灰からの亜鉛と鉛の高効率分離回収プロセス(担当:孫研究員)

 自動車および家電リサイクル法の施行により、シュレッダーダストの有効利用法が検討されるようになった。 一般的には燃焼熱を電力や蒸気などのエネルギーとして有効利用する方法が採られている。 しかし、燃焼後に残る炉灰や飛灰など燃焼残渣には、亜鉛、鉛、銅などの金属が含有されており、埋め立てによる廃棄が難しいこともあり、その資源化が指向されている。
 本研究では、シュレッダーダスト燃焼飛灰処理における亜鉛、鉛、鉄および塩素等の挙動を明らかにすることを目的としている。

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工業排水および港湾、運河等底質中の有機塩素化合物の高効率分解・浄化プロセスの開発(担当学生:梁)

 港湾、運河、河口付近など、比較的流速の小さな場所では細かい粒子が堆積しやすく、浚渫(しゅんせつ)が行われる。 この時、昔の化学工場などの排水、農薬や化学物質の不法投棄などが原因とみられる有機塩素化合物の汚染が見つかっている。 この場合、水に溶けにくく、揮発しにくい化合物が残留しており、代表的なものとしては、ダイオキシン、フラン、PCBsなどの残留性有機汚染物質(POPs)などが挙げられる。 これらは、大量処理を要求され、長時間保管できる場所の確保も難しいことから、オンサイト(その場)で効率的な処理が可能なプロセス開発が求められている。

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汚染土壌の高効率大量浄化処理プロセスの実用化研究

 当研究室では、汚染土壌中ダイオキシン類の高効率分解・除去プロセスの原理を開発し、新聞発表(*)を行っている。 その後、環境・エネルギー関連企業と連携して、実用化に関する検討を続けている。 この技術は低コスト・高効率で大量処理が可能であるが、コークス粒子の燃焼を利用するため、排ガスが生成する。 排ガス処理後術は廃棄物焼却施設などで十分確立されているが、ダイオキシン類の分解により発生する排ガスに対する周辺住民の正しい理解を得るために時間を要することなどの問題が残されている。 しかし、この技術を適用せきれば、結果的に使用エネルギーの削減や処理コストの大幅低減、処理期間の大幅短縮などのメリットも期待できる。
 現在は、ダイオキシン類だけでなく、広範囲な有機汚染物質の分解やクロムなど重金属類の固定化への応用を目指した研究を計画している。

ダイオキシン類汚染土壌の高効率浄化法の開発

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焼却飛灰、各種リサイクル炉ダスト中の重金属の効率的除去および固定化(担当学生募集中)

 廃棄物焼却飛灰は埋立ての他、各種建築材用途としての活用が図られている。 しかし、ハロゲンや重金属の含有などでその使用が制限される場合がある。 また、鉄鋼製錬・リサイイクルダスト中のクロムの回収にも課題が残されている。
 本研究では、飛灰や各種ダスト類のからの除去が困難な重金属類を効率的に除去あるいは固定化(溶出防止)する原理提案と効果の検証を目的とした検討を行っている。

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ソノフォトキャタリシス分解法を用いた資源回収型有機性廃水処理システムの開発(担当学生:小池、安富)

 汚泥は産業廃棄物排出量のおよそ半分(約2億トン)を占め、下水汚泥を代表とする有機性汚泥の排出量が多い。 これは主に活性汚泥処理を行っているためであり、発生した汚泥が曝気槽にて容易に好気性分解されるよう前処理を行い、汚泥発生量そのものを大幅に削減する試みがなされている。 また、前処理後の汚泥は微生物細胞壁が破壊されているため、後段の消化プロセスにおけるバイオガス回収率が格段に向上し、細胞より溶け出したリンの回収率も増加することが期待される。
 本研究では、高効率な前処理法として超音波照射と光触媒反応を併用する方法(ソノフォトキャタリシス)を提案し、バッチ式の基礎実験装置を作製した。 固形分濃度1%の下水汚泥1Lを用い、ソノフォトキャタリシス分解を4時間行った結果、生分解性を表すBOD(生物化学的酸素要求量)が2.6倍となった。 これは減量化率80%に相当し、超音波分解のみの場合と比較して約2倍に増加し、COD(化学的酸素要求量)もより増加した。 また、超音波照射のみを先に行い、その後紫外線照射を開始する段階的ソノフォトキャタリシス分解法の有効性も示唆された。
 現在、更なる反応速度向上のため、反応容器の形状を超音波共振条件および紫外線到達距離より最適化する試みを行っている。

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水質または底質中POPs(残留性有機汚染物質)のソノケミカル分解促進(担当学生:梁、調枝)

 本研究は、湖沼や運河等の水質および底質への残留汚染が問題化しているPOPsを、「その場」で効率的に分解するための技術原理の確立を目的としている。
 超音波照射の際に液相中に発生する超高圧・超高温のキャビテーション反応場を利用して有機化合物を分解しようとするものであるが、更なる反応速度向上のために、製鉄プロセスの副生物であるミルスケールなどを併用したFenton反応(FeイオンとH2O2によるOHラジカル生成反応)の利用を試みている。 さらに、分解中間生成物をGC/MS(ガスクロマトグラフ・質量分析計)、GC、イオンクロマトグラフ等を用いて追跡することにより、ソノケミカル分解機構の解明をも目指している。
 現在、モデル底質(SiO2+セルロース)にPOPsの一種であるヘキサクロロベンゼンを吸着させた試料についての検討を行っている。

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新しい製鉄法、有機系廃棄物の製鉄利用法など、革新的技術原理の確立(担当学生:秋山、西村)

 日本鉄鋼連盟の自主行動計画では、2010年の製鉄産業由来の温室効果ガス発生量を1990年比で10%削減することが掲げられている。 これを達成するためには、プロセス効率化や省エネルギー化等の対策のみの対応では限界があり、廃棄物やバイオマスなどカーボンニュートラル物質を還元剤として有効利用するプロセス開発が求められている。
 本研究では、廃プラスチック類の酸化鉄の還元剤としての使用を想定した基礎研究を行っている。 現在は、還元反応の効率化に有効なコンポジット構造に関する検討を継続している。

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燃焼充填層による還元実験中の炭材複合ペレット内温度と緻密化のin-situ測定

単一球形ペレット(Carbon-hematite composite pellet)還元実験とin situ観察

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粉粒体の塊成化に関する化学工学および金属工学的研究(担当学生募集中)

 焼結鉱(Sinter)は、鉄鋼用高炉の主要鉄源であり、我が国においては年間1億トン規模で生産されている。 天然物であるため組成や形態が異なる粉状(約8mm以下)の鉄鉱石を一定のサイズ(5mm〜25mm)と強度、制御された化学組成および好物組成を持つ人工鉱石に仕上げている。 世界的原料逼迫の条件の中で、低質原料を使用しながら高品質焼結鉱を製造する技術を持ち続けることは、わが国の鉄鋼(製銑)の世界的競争力を維持し続けるための重要な条件である。
 本研究では、現状の焼結プロセスの生産効率と制御精度を飛躍的に向上するための技術原理について検討する。

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X線CTによる鉄鉱石焼結ベッドのin-situ観察

"in-situ" Observation of Structural Change of Iron Ore Sintering Bed

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燃焼充填層内の熱・物質移動と反応の総合シミュレーション(MEBIOS法)

燃焼充填層内の熱・物質移動と反応の総合シミュレーション(MEBIOS法)

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鉄鋼製錬プロセスの資源対応性・環境調和性向上、高効率化、新プロセス開発(一緒に研究する学生募集中)

 これまで一貫して研究を続けてきたテーマです。
 鉄鋼の年間生産量はわが国で年間1億トン、世界では8億トンに迫ります。 これに伴う、物流はその数倍にのぼり、将来の環境やエネルギー資源への影響も巨大です。 しかし、鉄鋼に変わる素材は見つかっていませんし、これからも見つからないでしょう。 鉄は低価な身近な品質のものから、極めて高級なものまで、不純物と組織の制御によってどのようにも変化できる魔法の元素なのです。
 製銑工程は鉄鉱石を金属の鉄に変える最初の段階です。 巨大なプロセスで超高効率を実現し、1トン当たり数万円(100グラム当たり数円(現在3円ぐらいか?))という低価格を実現しています。
 これからも、重要なライフワークとして続けて行きます。

※ この他にも進行している研究テーマがあり、また、新しいテーマにも常に臨機応変に対応しております(いつも目移りしています)。 面白い研究、重要なテーマ、一緒に考えて、解決していきましょう。

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