大学院 工学研究科
リカレント講座

材料システム工学専攻 「先進材料システムの加工プロセスと評価」

日時・講師・場所

日時

平成28年7月19日(火)

8:30~12:30 千葉 晶彦 教授
13:30~17:30 蔡 安邦 教授

平成28年7月20日(水)

8:30~12:30 津田 健治 教授
13:30~17:30 三原 毅 教授

場所

東北大学工学研究科マテリアル・開発系 教育研究棟1階 講義室2

講義科目

1.「生体および航空機用金属材料の最先端加工プロセス」

千葉 晶彦 教授 (金属材料研究所)
本講義は、人工関節などに使用されている生体用Co-Cr-Mo合金や、航空機エンジン材料として使用されているニッケル基超合金・チタン合金などの加工プロセスに焦点を絞って解説する。講義構成として、前半部は生体用Co-Cr-Mo合金の結晶学的特徴と高温加工特性について述べる。生体用金属材料としてCo-Cr-Mo合金が他の金属系生体材料に比べてどこが優れているのかに焦点を絞り解説する。後半部は、最近金属用3Dプリンターとして注目されている「電子ビーム積層造形(EBM)技術」を中心に述べる。EBMの技術の概要について説明し、レーザー積層造形技術との違いと特徴を浮き彫りにする。EBMの既存の加工プロセスには見られない”革新性”はどこにあるのか、次世代の革新的金属加工プロセスとしての展望も含めて解説する。

2.「触媒の金属学」

蔡 安邦 教授 (多元物質科学研究所)
従来の触媒は酸化物担体に金属微粒子を担持させた不均一系触媒が主流であり、触媒反応に対する性能で評価され、その状態は分子の反応を介して調べられることが多い。酸化物に担持されている金属微粒子の解析が困難であるために、活性サイトとなる金属そのものの状態が必ずしも明らかにされていない。そのため、触媒の設計・開発は経験に依存することが多かった。本講義では、金属学という視点に立って、金属物理と組織の知識をベースとした一連の触媒研究を紹介する。金属学と触媒化学の両分野の手法・知識を持ち寄ることで、触媒設計の新しい原理を引き出し、金属触媒の発現起源を理解することが可能であることを示す。

3.「透過型電子顕微鏡および収束電子回折によるナノスケール材料・デバイス評価」

津田 健治 教授 (学際科学フロンティア研究所)
省エネルギー・省スペース・高効率などを目指した微細なデバイスや機能材料の開発では、局所結晶構造や静電ポテンシャルの変化をナノスケールの高い空間分解能で調べる必要がある。このような解析は、透過型電子顕微鏡をベースとしてナノサイズの電子プローブを用いる収束電子回折法によって可能となる。講義では、透過電子顕微鏡法および収束 電子回折法の概略と原理、データ解析の流れ、解析で得られる情報、種々の試料・デバイスへの応用例等について述べる。

4.「社会インフラの経年損傷と非破壊計測による保証」

三原 毅 教授 (材料システム計測学)
社会インフラの老朽化対策として、非破壊計測によって材料の劣化や欠陥を検出、或いはモニターし、破壊力学の設計と組み合わせることで、構造部材の強度を保証しながら古いインフラを安全に使い続ける技術が注目されている。本授業では、構造物の強度設計法を概説し、老朽化により強度に影響を持つ、欠陥や微視組織損傷における非破壊的計測目 標を把握すると共に、これらの計測に実用される非破壊検査手法を概観する。これらの非破壊検査法の中で、特に近年、超音波法が中核的に利用されている背景と、具体的な計測例を紹介する。さらに現在の技術的課題や、今後大きな社会問題となるはずのコンクリート構造物の計測を含め、この分野の技術課題や将来展望についても述べる。

応募方法等について

講習料

8,000円

募集人数

10名

申込締切

平成28年7月14日(木)

申込方法

受講を希望される場合は、次のことを記載して、東北大学工学部・工学研究科 マテリアル・開発系教務担当へ電子メールかファックスでお申し込みください。

記載事項

受講講座名、氏名、住所、勤務先、電話番号、電子メールアドレス (常時連絡用として使用されている場合は記載してください)

申込先

東北大学工学部・工学研究科 マテリアル・開発系教務担当
電子メール:kyomu.material@grp.tohoku.ac.jp
TEL 022(795)7373
FAX 022(795)7374

単位認定と修了証について

なお、東北大学大学院後期課程材料科学系に編入学を希望する方で、本講座受講後にレポートを提出し合格した方には、編入学後に後期課程の専門科目である「材料システム工学特論」2単位の認定を予定しています。また、在学生以外の受講者には受講後に修了証が授与されます。