東北大学 大学院工学研究科・工学部 知能デバイス材料学専攻
ナノ材料物性学講座 強度材料物性学分野

吉見研究室 Yoshimi Lab.

Ultra-High Temperature Materials Group
Depertment of Materials Science, Tohoku University

関戸信彰 研究助成金情報

下記の研究は公益財団法人JKA機械振興補助事業(研究補助)の助成を受けて行われています。
  競輪&オートレースの補助事業   KEIRIN.JP

(1)ZrSi2基合金コーティング材料の開発と添加元素効果の解明
助成期間: 令和2年4月~令和3年3月
研究概要: 軽量で耐熱性の高いSiCやC/Cコンポジットは,次世代超耐熱材料として期待されていますが,高温での耐酸化性が低いことが課題です.ZrSi2は,SiCと平衡し,耐熱性・耐酸化性に優れるZrSiO4を最表面に形成する可能性があるため,被覆材としての応用が検討されています.本研究では,ZrSi2の耐酸化性を向上させる第三元素を探索するとともに,酸化のメカニズムを解明します.

(2)Zr-Al-Si基耐熱コーティング開発のための状態図的検討
助成期間: 平成31年4月~令和2年3月
研究概要: 航空・宇宙分野において、軽量で耐熱性の高い素材の開発が求められています。C/Cコンポジットなどの炭素材料は、軽量で高温強度に優れるものの耐酸化性が極めて粗悪です。そこで本事業では、炭素材料を被覆して酸化を抑制するコーティング材料の開発をめざします。Zr-Al-Si-C系合金に着目して、その合金設計に不可欠なZr-Al-Si三元系の相平衡と凝固組織の形成過程などの基礎的知見を獲得します。

(3)Ti2AlC基耐熱性軽量合金における異方的力学挙動の解明
助成期間: 平成30年4月~平成31年3月
研究概要: タービンエンジンは、ガス燃焼温度が高いほど、またタービンブレードが軽いほど効率が向上します。軽量で耐熱性の高い合金が開発されれば、ガスタービンの効率を飛躍的に向上させることができます。本研究では、軽量で耐酸化性が良く、若干の室温変形能を有するTi2AlCに着目します。塑性変形能の異方性が強い(荷重を負荷したときに割れやすい方向と割れにくい方向がある)Ti2AlCの塑性変形メカニズムを解明し、同合金を強靱化する合金設計指針の構築を目指します。
本研究の成果の概要は広報資料をご覧ください。

(4)耐熱性Nbシリサイド基コーティングの開発
助成期間: 平成29年4月~平成30年3月
研究概要: 航空機用・発電用のガスタービンはタービン温度が高いほど高効率で運転することが出来ます。最先端のガスタービン燃焼温度は1600℃の高温に達していますが、その高温に耐える材料はありません。現在はNi基超合金に熱を遮断するコーティングをし、さらに内部を空冷するこで、ブレード温度を1000℃程度まで冷却して使っております。しなしながらそのブレードの冷却にともなうエネルギーロスにより、エンジンの効率改善が頭打ちの状態です。本研究では、次世代の超高温材料として期待されているNbシリサイドに対する、耐酸化性と長時間の高温暴露で組織変化が少ないコーティングシステムの開発を目指します。
本研究の成果は広報資料、ならびに下記の論文で公開されています。
N. Sekido, R. Aizawa, and S. Ueno, "Effect of Cr Addition on the Phase Equilibria and Oxidation Behavior of NbSi2", Materials Transactions, 60 (2019), 666.

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