研究内容

Material Flow Analysis

ELVスクラップに随伴する合金元素有効活用に向けたシステム提案

修士2年 飯塚 陽祐

近年、鉄鋼材料やIT関連製品などの材料および製品の高機能・高品位化に伴う需要環境の変化から、レアメタルの安定供給が重要視されている。国家備蓄対象7鋼種の国内需要のうち、約85%が特殊鋼材の生産に用いられていることから、鉄鋼業におけるレアメタル戦略の位置づけは極めて大きい。鉄鋼材の中でも特殊鋼は、鉄鉱石を原料に、様々な特性を加えるため鉄との合金であるフェロアロイを添加させて生産されている。また、加工の際に発生する切り屑や寿命を迎えた鋼材は、スクラップとして電気炉に投入され、再び鋼材として社会に戻ってくる。しかし、この鉄スクラップ利用から、スクラップに随伴する合金元素の散逸、もしくは意図しない混入が懸念される。したがって、レアメタル資源の持続的な管理やコンタミソースの観点からも、鉄鋼製品に随伴する合金元素の把握や適切な処理を行うことが重要となる。

本研究は国内における特殊鋼材使用量の約55%を占めている、廃自動車(End of Life Vehicle ; ELV)由来の鉄スクラップに着目し、随伴する合金元素量の推計や、合金元素の有効利用に向けたシステムの提案を目的としている。

ELVスクラップに随伴する合金元素有効活用に向けたシステム提案
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