研究内容

Eco Material Processing

高炉内におけるスラグの溶融挙動に及ぼす脈石成分の影響

修士2年 藤田 裕介

高品質鋼の製造に適した高炉・転炉一貫製鉄法は鉄鋼生産量の70%以上を占めており、今後も鉄鋼生産プロセスの主流であると考えられます。高炉プロセスにおいては、石炭やコークスといった炭材による鉄鉱石の還元が伴うことから二酸化炭素の排出が避けられず、鉄鋼業が与えるインパクトは決して軽いものではありません。そこで業界をあげて二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいます。これまでに様々な方法が検討されていますが、そのアイディアの一つが高炉への装入コークス量を削減し、間接還元比率を向上させる低炭素操業です。この方法では、スペーサーとしてガスや液体の流通を支える空隙を作っているコークスの量が減ってしまい、空隙に液体が充填されることにより圧損が上昇し、安定操業が困難となります。そのため、高炉内部における溶融開始位置(融着帯)周辺において固体をどのように溶融させ、圧損の増加を防ぐかということが、非常に重要な技術課題となります。

また、以上に述べたような低炭素操業を実際に行うためには原料に応じた副原料の調整が必要となりますが、資源・コスト的な観点から今後鉄鉱石の品位が低下することが予想され、鉄鉱石中の不純物である脈石成分は増加すると考えられます。よってスラグの溶融挙動の制御がこれまで以上に重要となります。そこで本研究では、高炉スラグの溶融挙動に着目し、低炭素操業の指針を得るために試薬を用いた脈石成分の溶融挙動を明らかにしたいと考えています。

高炉内におけるスラグの溶融挙動に及ぼす脈石成分の影響

図 本研究における目的の模式図

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